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2002年09月01日(日) 03時50分

預金:盗まれた通帳で払い戻し 「銀行に責任」と提訴へ毎日新聞


 「盗まれた通帳で預金が下ろされたのは銀行の確認不足が原因」と、顧客4人と企業1社が5日、東京三菱銀行やあさひ銀行など4行に総額約9800万円の返還を求め、東京、福岡両地裁に提訴する。ピッキング盗の多発に伴い、同様の被害は増えているとみられ、被害対策弁護団(高見沢昭治代表)は8日に相談電話を設け、実態把握に乗り出す。

 訴えるのは98〜02年に通帳などの盗難に遭い、700万〜約3700万円、計8件の預金を引き出された被害者。訴えによると、7件で偽造印鑑が使われ、3件では窓口に来た人物に運転免許証を提示させるなどの本人確認をしないまま、銀行側が払い戻していた。

 さいたま市の男性(67)の場合、今年5月に自宅から通帳5冊を盗まれ、このうち三つの定期預金口座に分けて預けていた約4000万円の退職金の大半が引き出された。2口座は3週間前に開設したばかりで、どちらの払い戻し用紙にも、生年月日を間違って記し、訂正された形跡があったという。男性は「不自然だと分かるはず。口座開設を担当した行員に確認さえすれば、別人だと確認できた」と話す。

 弁護団の野間啓弁護士は「パソコンやスキャナーの高性能化で、通帳さえ盗めば、簡単に押してある印影のコピーができる。『印影が合っていれば本人以外に払っても免責される』とする銀行の約款に、そもそも問題がある」と指摘する。

 過去の預金返還訴訟では、銀行側が十分な注意を払ったかどうかが争点になり、印影が違っていても銀行側に責任はないとしたケースも多い。ただ今年2月には、盗難された通帳と正規の印鑑が使われた事件で「本人確認が不十分だった」として顧客側勝訴の判決も出ている。

 電話相談(03・5363・6707)は、8日午前10時〜午後5時。電子メール(noma@law.ne.jp)でも常時、相談を受け付けている。 【清水健二】

[毎日新聞9月1日] ( 2002-09-01-03:50 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020901k0000m040132001c.html

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