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2002年08月30日(金) 14時31分

原発トラブル隠し、東電側が改ざんを指示読売新聞



ひびがあったとして交換されたシュラウド(98年、東電福島第一原発3号機で)

 東京電力の福島、新潟県にある3原子力発電所計13基の沸騰水型軽水炉の自主点検記録が改ざんされていた問題で、内部通報者は米国在住の技術者で、この型の原子炉を開発したゼネラル・エレクトリック社(GE)の元社員だったことが30日、わかった。改ざんは東電の現場担当者の指示で行われていた疑いも強まった。経済産業省原子力安全・保安院は、改ざんなどの不正が組織的だった可能性もあるとみて、正確な報告義務を定めた原子炉等規制法違反での刑事告発を視野に入れ、週明けにも3原発を立ち入り調査して実態を追及する。

 元社員は、点検作業を請け負った、関連会社のゼネラル・エレクトリック・インターナショナル社(GEII)に派遣され、点検に協力。自らが関与した作業について、元社員が2000年7月、経産省(当時の通産省)に内部告発の手紙を送った。

 関係者によると、告発文書には〈1〉原子炉内の蒸気乾燥器にひび割れが6つあると報告したのに、記録には3つになっていた〈2〉原子炉内に忘れてあったレンチが炉心隔壁(シュラウド)の交換時に出てきた——の2点が記載されていた。

 告発を受けた保安院は、元社員と何度も書簡を交換。当初は、記憶間違いなどもあって事実の確認作業に手間取ったが、2001年1月以降、元社員から複数の点検記録の写しなども添えられた、具体的な内容の告発文書が届いたという。

 告発した時点では、GEに所属、職場で立場が悪くなるので、匿名情報として調査を求めていたが、転職したため情報源を明示しての調査に同意したという。

 東電の調査に進展がないため、昨年11月にGEIIに協力を要請。GEIIは、資料を公開しない任意の調査なら協力することを約束。今年3月には、告発内容以外にも作業記録に不正の疑いがあることが報告され、5月に、GEIIから、同社員4人が一連の点検にかかわっていたなどとする社内調査資料や当時の関係者の証言記録が保安院に届いたという。

 こうした資料や証言記録などを元に東電社員などからも事情を聞くなどの調査を実施。その結果、記録の改ざんは、GEII内部で行われたのではなく、東電の現場担当者の指示があったという証言を得られたとしている。

 一方、原子力安全委員会は同日午後、この問題で臨時会を開くことを決めた。経済産業省原子力安全・保安院から説明を受ける。

(8月30日14:31)

http://www.yomiuri.co.jp/04/20020830i106.htm

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