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2002年08月23日(金) 15時09分

催眠術も教えた詐欺のベテル学院、7割「不適格講師」朝日新聞

 ホームヘルパー養成をめぐる「ベテル医療福祉専門学院」(大阪府八尾市、2月に破産宣告)の詐欺事件で、同学院が大阪府内で開催したヘルパー2級研修の講座の約7割が、府の要綱で定められた資格や経験のない「不適格講師」によるものだったことが、大阪府警の調べでわかった。介護の知識に乏しい元社長の西村兼一容疑者(46)や同学院職員が交代で教えていたという。

 同学院は、入校案内書やホームページで「大学教授や弁護士ら講師が一流」と宣伝していた。府警は、西村元社長が最初から受講料をだまし取る目的で、専門家が教えているように装って受講生を集め、必要経費を浮かせていたとみている。

 府の要綱によると、2級研修では、「介護概論」や「ホームヘルパー概論」など24の講座を受ける必要がある。講師についても、講座ごとに「介護福祉士や看護婦の資格を持っている」「5年以上の実務経験がある」などの条件が示されている。

 講師陣の名簿は、研修計画とともに研修の前に府に提出することになっており、00年11月〜01年11月に同学院が開いた二つの研修で提出された名簿には、大学教授や弁護士、介護福祉士など介護保険の専門家らが名を連ねていたという。

 実際は、このうち16講座が府への届け出と異なり、資格や経験がない「講師」だった。大半の講座は、西村元社長自身や同学院の事務職員ら3人が持ち回りで教えていたとみられる。

 講義の中身もずさんだった。例えば、「老人保健福祉の動向」の授業では、西村元社長が「愛とは何か」というテーマで、「身近な家族を愛することで幸せな毎日が送れる」といった人生論を3時間にわたって「講義」。別の幹部は、全く介護の話はせずに、受講生ら一人ひとりを前に呼び出して、催眠術をかけて楽しんでいたという。授業中ひたすらテキストを朗読しているだけだったり、突然、授業時間を半分以上残したまま途中で切り上げたりする講師もいた。

 「基本介護技術」など実技講習の講座でも、内容が全く異なる1級と2級の数十人の受講生を一つの教室に集めてまとめて実施していた。受講生が多い日には身動きができないほどで、実技ができる状態ではなかったという。元受講生で大阪市内に住む看護助手の女性(58)は「資格がほしかったので我慢していたが、全く内容のない授業だった」と話す。

 逮捕直前の府警の事情聴取に対し、西村元社長は「府の要綱に沿った届け出通りの講師を雇っていたら、金がかかり過ぎてもうけが少なくなるので、自分たちで教えた」などと供述していたという。

(15:07)

http://www.asahi.com/national/update/0823/020.html

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