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2002年08月23日(金) 06時48分

公文、通信学習申し込みの振替用紙に口座暗証番号朝日新聞

 学習塾大手の「公文教育研究会」(本社・大阪市)が、通信学習を申し込む客の預金口座振替用紙に、銀行の暗証番号を書かせる欄を設けていたことがわかった。印鑑の代わりにサインを使う人が対象。この用紙は93年から使われ、2万6000人が申し込んだ。10カ月の保管後に破棄されていたが、残っていた分から40人の暗証番号記入が確認された。

 口座を開く際、印鑑の代わりに本人のサインを使う方式は、外資系のシティバンクや新生銀行などが採用している。

 公文の振替用紙には、サイン式の利用者を対象に4けたの暗証番号を書き込ませる欄があった。朝日新聞の取材後、同社は「必要のない個人情報を書かせる形となっていたのはよくなかった」として、残っている用紙から問題の欄を削除した。

 公文によると、通信学習の会員は現在、小学生を中心に約3500人。会員側から郵送された振替用紙は、10カ月ほど保管した後、シュレッダーで裁断している。

 現在残っているのは昨年10月からの1787人分で、このうち2%の40人が暗証番号を記入していた。印鑑を使っている人も含まれ、キャッシュカードの暗証番号を書いたとみられる。

 松尾精二・同社通信チーム・リーダーは「どういう経緯で暗証番号欄が設けられたのか社内で調べたが、わからない。書式を作ったのは預金引き落とし手続きを代行する信販会社。こちらも点検を怠った」と話した。

 この信販会社は「クオーク」で、東京本社企画部は「こちらで作ったものではないと思う。銀行側が必要としていたのではないか」としている。引き落とし手続きを代行する他の契約会社の用紙には、暗証番号欄は設けていないという。

 シティバンクは「サインで本人確認ができるため、引き落としに暗証番号の記入は必要ない」、新生銀行も「振替用紙などに暗証番号欄を設けるようなことはしていない」と述べている。

 <金融評論家で関西大学名誉教授の上田昭三氏の話> こういう形で第三者にも分かるような欄を設ける書式にしたのは明らかにおかしい。記入してしまう方がいたとしても仕方がない。暗証番号は秘密裏に本人確認をするためのもの。欄を削除するのは当然のこととして、これまで「事故」が起きなかったのが驚きだ。悪用されるおそれもあり、危険極まりない。

(06:48)

http://www.asahi.com/national/update/0823/004.html

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