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2002年08月15日(木) 21時02分

<住基ネット>通知はがきの番号が透けて見えると苦情がやまず毎日新聞

 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)で、住民票コードを通知するはがきの番号が透けて見えるとの苦情がやまない。隠したはずの番号が、光線にかざすと透けて見えるという通知はがきは、相当な数に上っているようだ。しかし、自治体の大半は「郵便局員しか見ない」と特別の対策を取らない方針で、個人情報保護をめぐる自治体の意識の低さを問う声も出ている。 【山本紀子】

 多くの自治体は世帯ごとに通知を出しており、はがきには家族の名前と性別、生年月日、住民票コードの11けたの番号が並んでいる。二十数件の苦情があった東京都北区では、家族のうち上から3人目の番号が、足立区では4人目、神奈川県藤沢市では2人目と4人目が見えやすいという。

 はがきには、裏地のカラー印刷や紋様など一応の防止策がこらされている。ところが、北区では、外側に印刷された住民票コードの説明文が重ならない部分は、番号が透ける。大分市でも、説明文のない空白から1人目の番号が見えやすい。東京都羽村市や新宿区、足立区、神奈川県鎌倉市などにも苦情が来る。

 全国の約200市町村からはがき印刷を受け負った東京都内の大手印刷会社は、「役所から地紋や網かけの指示を受け、見えない細工はした。確かに、無理をすれば見える部分もあるが、役所に見本は見せた。了解したものと思っていた」と話す。最近になって、自治体から「目隠しのラベルを張れないか」と問い合わせが来ており、自治体側が情報漏れに敏感な住民の気持ちを察知していなかったことをうかがわせる。三島市の印刷を請け負った業者は「はがきは1枚6グラムの限界があるため、ラベルを張ったり紙を厚くしたりは難しい」と打ち明ける。

 この事態に、藤沢市は残る6万4000世帯の発送を中止、大分市も未発送の10万世帯分を封書で送る措置をとった。

 しかし、配慮する自治体は少数派だ。「太陽にかざすことまで想定していない。報道されるから苦情が増える」(都内の自治体担当者)という声さえ出る。鎌倉市は「郵便局に直接持ち込んでいるため、他人が見る余地はほとんどない」。足立区は「不愉快な人は、申し出れば番号を変える。気にしなくてもいい」と楽観的だ。

 しかし、住民の不満は募る。北区の男性は「番号変更には、平日昼間に区役所に出向く必要があると言われた。仕事を休むのは難しい。不在時にポストに投げ込む配慮のない対応も疑問だ。全区民に新しい番号を再送してほしい」と話した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020816-00000067-mai-soci

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