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2002年08月10日(土) 02時18分

日ハム、愛媛から徳島でも偽装読売新聞

 やはり親会社は知っていた——。食肉業界最大手「日本ハム」(本社・大阪市、大社啓二(おおこそ・ひろじ)社長)の牛肉偽装問題で、同社は9日、「あくまで子会社の行為」とのこれまでの説明を一転、今年2月の時点で、親会社まで偽装の事実が報告され、組織ぐるみで隠ぺいしていたことを認めた。雪印食品による牛肉偽装事件が発覚した直後の隠ぺい工作に加え、偽装が、当時は地域別会社に分かれていた子会社の姫路、愛媛、徳島の3営業部に及ぶことも明らかになり、農水省は「偽装自体が、日本ハムグループの組織ぐるみで行われていた可能性もある」と疑いを強める。日本ハムが買い上げ申請した残り930トン余りの中には、もう不正はないのか。

 「日本ハムグループとして、深くおわび申し上げます」。9日午後7時半過ぎ、東京・大手町の記者会見場に現れた大社社長は、顔をしかめながら、深々と頭を下げた。同席した東(あずま)平八郎・副社長(日本フード社長)、庄司元昭・専務(同取締役)は、約150人の報道陣を前に不安げな表情。

 子会社の日本フードによる牛肉偽装の疑いが発覚後、「詳細は分からない」とはぐらかしていた今月6日の会見から一転、大社社長は声を震わせ、時に言葉を詰まらせながら、用意した謝罪文を読み上げた。

 「事実を日本ハムの庄司元昭専務に報告していました」。日本フード側が今年2月、姫路、徳島両営業部の偽装を把握し、日本ハム本社の役員も承知していたという新たな事実を、淡々と明かした。

 報道陣から、「姫路営業部の偽装を発表した6日の会見までに(社長が)どれだけ事態を把握していたか」と問われると、「概要は把握していたが、確定していなかったので公表しなかった」と歯切れは悪い。東副社長は、偽装の事実を大社社長に報告しなかった理由を、雪印食品の偽装事件を引き合いに出し、「震えが来るほど怖かった」と述べた。

 「焼却処分をすることで、親会社ぐるみで隠ぺい工作を図ったのではないか」と繰り返し問われると、大社社長は「報告には隠ぺいだという証拠はなかった」と否定し続けたが、約1時間半にわたった会見の最後になって、「結果的に、隠ぺいしたととられても仕方がない」と肩を落とした。

 6日の会見で、同社長は焼却した肉に「誤って品質保持期限切れの国産牛肉が混入した」という虚偽の説明をしたが、「だれが考えたのか」との質問に、大社社長は、「庄司専務でございます」と言い切った。

 日本ハムは大社義規会長が創業し、45年間にわたって社長を務めた後、養子の啓二氏に交代した。「“若だんな”を守ろうとしたのではないのか」との追及に、庄司専務はうつむき、東副社長は正面を見据えたまま。「副社長と専務が逮捕されてもいいのか」と問いただされた大社社長は「全部門を把握できていれば……」と消え入りそうな声で答えるのがやっとだった。

 ◆農水省「だまされた」◆

 農水省ではこの日午後10時から松原謙一・畜産部長が会見し、問題の計約1300キロの牛肉が、日本ハム側が主張していた「品質保持期限切れ」でなく偽装した輸入牛肉だったことについて、「結果的にだまされたことになり、極めて遺憾」と怒りをあらわにした。

(8月10日02:18)

http://www.yomiuri.co.jp/04/20020809ic49.htm

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