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2002年07月29日(月) 17時24分

「いい加減にして」 ワン切り業者にうんざり朝日新聞

 「ただいま電話はたいへん込み合ってかかりにくくなっています」−−。週明け月曜日の29日午前、大阪府全域で再び大規模な通話障害が発生した。「五・十日(ごとび)」に月曜が重なった15日に同様の障害が起こったばかり。ビジネス街の利用者らは困惑と怒りでうんざりした表情だ。障害の主な原因は前回と同じ「ワン切り」業者の電話だという。こうした業者を事前に規制する再発防止の手はないのか。

 大阪市中央区北浜の野村証券大阪支店では、午前11時ごろから一般加入回線がかかりにくくなった。同広報部は「比較的影響の少ない時間帯とはいえ、お客様にはご迷惑をおかけした可能性がある」と困惑。東京から出張で来たコンピューターソフト会社の従業員(44)は「取引先に何度電話をかけても通じない。これでは仕事にならない」と携帯電話で何度もダイヤルしていた。

 同市北区の高木証券では午前10時20分ごろから外部への電話が通じにくくなった。電話による顧客への投資勧誘などの業務に影響が出たという。「株式市場は午前11時にいったん閉まる。このため午前10時20分ごろというのは、午前中の書き入れ時。影響は大きい。もういい加減にしてほしい」と担当者。

 大阪・ミナミの旅行会社「JTBトラベランド心斎橋店」では、ホテルの予約などで電話をかけても、つながらない状態が続いた。同店の女性社員(27)は午前10時半ごろ、三重県内の旅館の予約を取るために現地に電話をしたが、3度目でようやくつながった。「夏休みで旅行客が多い時期なのに、こういうトラブルが続くと本当に困ります」と話した。

 みずほ銀行心斎橋支店の男性社員は、午前10時半ごろ、大阪府東大阪市内の顧客にかけた電話が3度目でようやくつながった。前回のトラブルもあったので、報道機関のホームページで原因を確認しようと思ったが、アクセスもできなかったという。「業務として電話で顧客に残高照会することも多く、長引けば影響が出る。原因をはっきりとさせてほしい」

 市外局番が「06」地域の兵庫県尼崎市内では、午前10時半ごろから電話がかかりにくくなり、同市役所の6支所6出張所では、戸籍謄本の申請書が本庁にファクス送信できず、発行業務に支障を来しているという。


 ワン切り 規制策なし

 通話障害の原因が分かっても、NTTには未然に防止する策がない。

 総務省近畿総合通信局によると、電気通信事業法は、NTT西日本のような事業者に対する許可や規制をしている。ワン切り業者のような利用者による今回のような事態は想定していないといい、罰則などの法的措置は取れないのが実情だ。

 迷惑メールについては今年4月、業者を規制する法律が成立し、7月1日から施行されている。

 今回の問題を引き起こした業者がNTTと契約していたのは、光ファイバーを使った「総合ディジタル通信サービス」。このサービスの契約約款の第69条では「通信の伝送交換に妨害を与えてはならない」と定めている。NTT西日本は今回、この規定に違反したとして、業者の利用を中止した。

 利用停止に踏み切ることも可能だが、NTT西日本は、検討するかについては「今後の話になる」としている。

http://www.asahi.com/osaka/020729i.html

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