マルチの八葉物流、回収は１割　債権者集会で資産報告（京都新聞）

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2002年07月15日(月) 00時00分

　健康食品のマルチ商法を装い「１５０万円が１年後に３００万円になる」とうたって会員から約１５６４億円を集め１月に破産した「全国八葉物流」の初めての債権者集会が１５日、東京地裁で開かれ、管財人が現時点での同社の資産状況を説明する。

　被害に遭った会員らを中心に債権者として届けたのは約２万９０００人で、届け出債権は総額計５１５億円余。これに対し、現時点で回収された資産は約５０億円と１割程度にとどまっている。被害者は全国で約４万人いるが、１万人以上が債権を届け出なかった。

　関係者によると、回収資産の内訳は現金・預金計約４６億円と、元幹部会員に貸し付けられていた８億円のうちの４億円。破産直後に海外に出国した田所収会長（６８）に仮払金として流れた２億円などは未回収で、ほかにまとまった資産は見つかっていないという。

　関連会社が沖縄や静岡などに土地や建物を所有しており、管財人は今後、関連会社の整理などで資産の上積みを目指すが、十分な配当は困難とみられる。

　次回の債権者集会は来年３月３日の予定。

　出資法違反容疑で３月に同社を家宅捜索した警視庁などの合同捜査本部は、幹部らの詐欺容疑での立件を目指し、資料分析や関係者からの事情聴取を進めている。