「『らしい』で制裁メディアは慎重に」河野さん権力監視の必要性も訴え（京都新聞）

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2002年07月13日(土) 00時00分

　報道による人権侵害の救済を目指す「報道被害救済弁護士ネットワーク」（代表・坂井真弁護士）が１３日午後、松本サリン事件被害者の河野義行氏や作家の猪瀬直樹氏らを招いたシンポジウムを都内で開いた。

　河野氏は１９９４年６月の松本サリン事件の報道で容疑者扱いされ、無言電話などの深刻な被害を受けたとして「報道被害で決定的なのは、１日や２日で不特定多数の人が『こいつが犯人だ』と思い込むことだ」と訴えた。

　一方で、個人情報保護法案などのメディア規制法案に対しては反対する立場を表明。逮捕を阻止するためメディアを通して警察の捜査の問題点を伝えていった経緯を説明し「法案は権力の監視、批判というメディアの生命線を骨抜きにする」と語った。

　河野氏は「今の世の中は『悪いことをしたらしい』というだけで制裁を受ける」と、メディア側に慎重な報道姿勢を求めた。