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2002年07月05日(金) 00時00分

魔法の石トルマリンの効果は「全部ウソ」幸運招かず…脱税事件に発展もZAKZAK

 魔法の石の正体は−。「幸運を招く」との誘い文句で鉱石トルマリンのアクセサリーなどを販売していた通信販売会社2社(すでに清算)の島田則康社長(41)が約6億5000万円を脱税したとして、国税から法人税法違反容疑で東京地検に告発された一件が波紋を広げている。島田社長は別会社でもトルマリンビジネスを続けているが、ブームとなっている関連グッズの効能に疑問の声が噴出しているのだ。


雑誌広告では“トルマリン効果”を喧伝するが… 清算された都内の2社が販売したブレスレットは「トルマリンGシリーズ」と呼ばれ、女性誌などで「幸運を招く」と派手に宣伝されていた。

 世の中には不幸な若い女性が多いのか。1万円前後の商品が飛ぶように売れたようで、平成12年2月期までの2年間で、約20億円の所得を隠していたほか、税務調査を逃れるため、会社を清算し、新会社をつくるなど悪質な工作も行っていたという。

 島田社長は2社を清算後も、別会社「ランディック」で、装飾品「トルマリンブレスG」や、お金がドンドン増える驚きの財布「トルマリンウォレットG」などを販売し続けている。

 雑誌広告でも「信じられない大金を手にした」「大富豪と結婚できた」「肌がキレイになった」といった真偽不明の体験談が掲載され、「努力もなしに願望を次々と達成!」との“効果”がうたわれている。

 このなかで、トルマリンには“生命エネルギー”なる力があり、「マイナスイオン」や「遠赤外線」を発生するために変化が起きると説明。それらを「科学的な裏付けによる驚きの証明!」とも称している。

 だが、東京大学生産技術研究所の安井至教授は、恋愛や金銭運の上昇話に「科学的な根拠など全くない。単なる気分の問題」とあきれ顔だ。

 また、同社のほかにもトルマリンを“環境改善素材”などと称し、多くのグッズが登場しているが、「消費者センターにも問い合わせが多く、私のところにも、センターから『対応に困った』といった相談がある」。

 そもそも、10月の誕生石として知られるトルマリンのグッズは数年前からブームとなり、水を浄化する製品も多く存在。各社の説明では「トルマリンには半永久的に電流が流れ、水が電気分解されてマイナスイオンができる」とされる。

 確かに、トルマリンは温度の変化で電気を帯びる性質があるが、安井教授は「電気はわずかなもので、水に触れたら一瞬でなくなる。何もせず、半永久的に電流が流れることなどありえない。遠赤外線が出る話もそうだが、全部ウソです」と一刀両断だ。

 こうした批判に、ランディック側は「ユーザーから効果がないという話もあるが、感謝の手紙も来ている。ブレスレットを買った後、100円を拾っても、うれしい人とそうじゃない人がいるように効果は主観の問題」と主張している。

 今や一部の大企業まで参入しているトルマリンビジネス。だが、その効能はかなり危うい根拠しかないようで…。

ZAKZAK 2002/07/05

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2002_07/3t2002070504.html

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