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2002年06月23日(日) 09時36分

300人のヘルパー資格が宙に 養成事業者 京都府の指定取り消し京都新聞

 ホームヘルパー養成講座を開いていた京都市内の二つの事業者が、京都府から研修内容が不適正として事業者指定を取り消された結果、受講者約三百人のヘルパー二級資格が宙に浮いている。補講の受け皿作りが二カ月近くたった今も進んでいないためで、「仕事探しに影響がある」「府指定だと信用したのに」との声が上がっている。大阪や兵庫でも同様のトラブルがあり、厚生労働省は再発防止を呼び掛け始めた。

 府によると、事業者は介護福祉サービス会社ケアフルと京都介護福祉事業協同組合=いずれも伏見区醍醐=。昨年三月、介護保険制度に基づいて府の指定を受け、要介護者の自宅に出向いて入浴や食事などの介護ができるヘルパー二級の養成講座を開いた。しかし、府が調査した結果▽資格のない人が講師を務めた▽必要な講習時間を満たしていない−などが判明し、五月一日に指定を取り消した。

 ▽詐欺にあったよう

 昨夏に修了証書を受け取った山科区の女性(48)は、補講を受けないと資格が無効だと新聞報道で知った。求職の際も正直に自分の境遇を説明せざるを得ない。「詐欺にあったようだ。補講の日程や内容が決まらないと、新しい仕事も探せない」と語る。約二カ月間、講座に通い続けた伏見区の女性(51)は「九万円近い受講料を払ったのに、補講費は自己負担とは」と憤る。二人が不信感を募らせるのは業者と府のいずれからも納得できる説明がない点だ。

 京都市の市民生活センターには「二日受講しただけで講座がなくなってしまった。補講の連絡もない」などと言う苦情が十件寄せられている。

 府は「補講で資格は有効とする。別の養成事業者との調整を急ぐ」と救済措置を説明する。しかし、補講開始のめどは立っていない。「無効となる講習がどれだけあるかは受講者により異なり、確認に手間取っている」としている。

 今年一月には大阪府がヘルパー養成事業者の指定を取り消し、兵庫県では事業者が自ら指定を取り下げた。京都と同じように計五百人近い受講者の資格が宙に浮いたが、両県とも約二カ月後、希望者に低額で再受講をあっせんした。

 その後、大阪府は各講座終了時に講師の出席確認をとって「名義貸し」を防いだり、実習先の福祉施設の証明書提出を義務付けた。兵庫県も指定講座の一覧をホームページで掲載を始めた。

 厚生労働省は今月四日、都道府県の介護保険担当課長会議で、京都などの事例を紹介し、「必要なら事業者の了解を得て、実地調査もすべき」と注意を促した。

 ▽監視体制の不備

 同志社大の岡本民夫教授(社会福祉学)は「事業者の申請を都道府県が書面で審査するだけで、後の監視体制がない今の制度では同じトラブルが起こりかねない。府がさらに責任を果たすには、現行の年度一括の指定から、講座ごとの指定に改めたり、受講者から講座内容の評価を提出させる仕組みが必要ではないか」と指摘している。

(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020623-00000015-kyt-kin

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