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2002年06月06日(木) 21時23分

「南九州アールテック」悪質商法被害 農村部で13件、500万円 /鹿児島毎日新聞

 ◇一人暮らしの高齢女性狙う−−「柱が腐っている」不安にさせ契約
 県警生活保安課などが5日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)容疑で経営者ら2人を逮捕した住宅設備業「南九州アールテック」(鹿児島市小野町)による被害は、70〜80代の一人暮らしの女性を中心に県内の農村部に広がっていた。相談できる家族のないお年寄りを「床下の柱が腐っている」と不安にさせ、高額の工事料を取る悪質な手口。過疎や高齢化が進む農村部で、老後の蓄えを狙う悪質商法から、お年寄りを守る対策が急がれる。【内田久光、高橋咲子】
 県警の調べでは、アールテックは昨年7月ごろから、農村部などの高齢者女性宅を訪問。水道検査では、こっそり茶色の絵の具を流し台から水に溶かして流し、「水が濁っている」とだましていた。百数十万〜数十万円の工事契約を結ばせていたが、床下補強用として使ったジャッキは1本300円程度のものだった。県警の把握分だけでも、被害は13件、約500万円に上り、被害総額は1000万円を超えると見られる。
 県警によると、今回の逮捕容疑の被害者の鶴田町の女性(83)の場合、経営者の児玉政樹容疑者(25)らが昨年12月、床下補強などの工事を名目に約230万円の契約をした。しかし、翌日、工事を不審に思った近所の住民が女性との間に入り、解約するよう説得。女性は、初日の工事代金として44万円を払うだけの被害で食い止められた。近所の「目」の大切さを示す事例とも言える。
 国民生活センターによると、床下補強名目に多額の工事代金を請求されるトラブルは、99年から全国各地で急増。01年度の同センターへの相談件数は、床下換気扇設置などの工事関係で前年比791件増の2869件(うち高齢者1870件)にも上る。
 5日の捜索は、アールテックの事務所と、児玉容疑者の自宅など5カ所で行い、請求書、メモ類など48点を押収した。事務所には午前7時半すぎ、ダンボール箱を抱えた捜査員が入り、その後、敷地内にある倉庫、乗用車なども調べた。
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 ◇今もきしむ床板−−補強工事で100万円支払った女性「だまされたのかも」
 南九州アールテックの従業員の訪問を受け、床下補強工事などに約100万円を支払った薩摩郡の女性(79)から、話を聞いた。
 「水の検査をさせてもらいます」。一人暮らしの女性宅に、突然「南九州アールテック」を名乗る男が訪ねてきたのは、昨年10月中旬。男は床下に入り込むと、「湿気が多いから柱が腐っている。地震でもきたら家がつぶれる」などと説明した。女性は風呂の脱衣場の床がきしむのが気になっていた。「柱が腐っているせいかしら」。関心を示すと、後から来た2、3人の仲間も加わり、見積もりを始めた。
 床下換気扇1セット=約27万円▽床下のジャッキ補強(10本)=20万円▽調湿剤(300キロ)=36万円——。示された見積もりは計約140万円にも上った。驚いて「そんなに払えません」と言うと、途端に白アリ駆除料などは「無料サービス」になり、見積もり額は100万円に下がった。
 契約した女性は、農協から貯金を下ろし、翌日と翌々日に工事に来た男たちに現金で支払った。工事契約書では、風呂場の床下がジャッキで補強されたはずだが、脱衣場の床板は今もきしむ。南九州アールテックの被害が多発していることを告げると、女性は「だまされたのかもしれないんですね」とつぶやいた。【内田久光】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020606-00000001-mai-l46

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