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2002年06月04日(火) 01時00分

「無認可香料」問題 食品メーカーの自主回収拡大朝日新聞

 協和香料化学(本社・東京)の茨城工場でつくられた香料に食品衛生法で認められていない3物質が使われていた問題は、大手食品メーカーによる大規模な商品回収に発展している。大手スーパーには3日現在で、メーカー20社から菓子、飲料など計85品目について自主回収の申し入れが寄せられている。協和香料からの出荷先は約600社に及び、4日以降もメーカーによる回収は続くとみられ、食料品の自主回収としては過去最大規模となる恐れもある。

 問題の物質はアセトアルデヒドとプロピオンアルデヒド、ヒマシ油の3物質で、香料の配合原料に使っていた。3物質は厚生労働省が発がん性などの安全が確認されていないとして、使用が認められていない。

 茨城県は、東京都に寄せられた匿名の投書に基づき調査した結果、5月31日に協和香料に香料の回収と営業禁止を命令している。使用量がわずかで「健康被害はない」とされるが、この物質を含んだ製品は400種類以上にのぼる。

 食品衛生法では健康被害の有無にかかわらず、同法で認められていない添加物が使われた食品は違法になる。厚生労働省は、工場のある茨城県を通じて各地の保健所に回収指示などの対応を要請、問い合わせのあった企業にも回収するよう求めている。通常の違反よりも回収対象になる商品の量が多いため、保健所から対応を確認する電話も相次いでいるという。

 スーパーに自主回収を申し出た業種も菓子、パン、飲料、アイスクリーム、乳製品、ソース、酒類、ハム、冷凍食品など広範囲に及んでいる。

 江崎グリコ(大阪市)が「アーモンドボールチョコレート」などの菓子類110万個と「食後のアイス」など冷菓17万個の計127万個の回収を決定。ブルボン(新潟県柏崎市)はクッキーやビスケットなど19品目、明治製菓(東京都)は「チェルシー」などのキャンデーやチョコレート、レトルトカレーなど19品目の回収を発表した。

 また、協和発酵(同、協和香料とは無関係)が「下町酎ハイうめ」や梅酒など9品目。名糖産業(名古屋市)は看板商品の「アルファベットチョコレート」など37品目、雪印乳業(東京都)が北海道限定のアイスクリームと「スノーホイップ・チョコレート味」の2品目、理研ビタミン(同)が「カップでスープ コーンポタージュ」など3品目の自主回収を決めた。

 大手スーパーのイオンには、味の素ゼネラルフーヅ、ヒロタ、敷島パン、伊藤ハム、丸大食品、本高砂屋、カンロ、日本リーバ、東ハト、ニチレイなどから自主回収の申し入れが寄せられている。スーパーやコンビニエンスストア各社は深夜まで売り場からの商品撤去に追われた。

    ◇

 自主回収を始めた食品メーカーの問い合わせ先(3日現在)

江崎グリコ 06・6477・8139

ブルボン  0120・468・884

協和発酵  0120・933・028

明治製菓  0120・041・082

名糖産業  0120・855・337

雪印乳業  0120・369・114

理研ビタミン0120・922・303

伊藤ハム  0120・011・186

カンロ   03・5380・8807

    ◇

 アルデヒドは、アルコールが酸化されてできる化合物。アルコールの種類により、それぞれ呼び名が異なる。一般的には香料の原料に用いられるが、アセトアルデヒドやプロピオンアルデヒドは、揮発性が高く、目や鼻、のどの粘膜や皮膚などを強く刺激する。

 たくさん取り込むと、アセトアルデヒドは、気管支炎や肺浮腫などを起こす恐れがあり、発がん性を疑う報告もある。プロピオンアルデヒドはと肝臓や肺、心臓などに影響があるという。

 ヒマシ油は、植物のヒマの種子からとれる脂肪油。潤滑油やせっけんなどの製造に使われる。下剤にもなる。(00:46)

http://www.asahi.com/national/update/0603/027.html

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