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2002年06月03日(月) 00時00分

<詐欺メール>南アフリカから発信 被害が世界的に広がる 毎日新聞-全文

 「コンゴ内戦のあおりで、巨額の武器購入費が宙に浮き、保管に困っています。貴殿の口座に金を預けさせてもらえれば、謝礼をさしあげます」——。南アフリカから発信された「詐欺メール」による被害が世界的に広がり、東京の南アフリカ大使館にも50件を超す相談が寄せられていることが分かった。同大使館によると、送金の準備費用などの名目で1億円を騙し取られた日本人もいる。南ア外務省は「国際的イメージが傷つきかねない」と懸念し、被害届を本国へ報告するよう在外公館に緊急通達を出した。

 東京都内の男性会社経営者には昨夏、英文のメールが届き、「私は暗殺されたカビラ・コンゴ大統領の部下だった。大統領の死(昨年1月)で南アに政治亡命を申請中だが、武器購入資金の保管場所に困っている」と書かれていた。一時的に口座を利用させてくれれば、謝礼として送金手数料の20〜35%相当額を支払うとの誘いがあった。

 同大使館によると、メールを受け取った人物が承諾すると、(1)送金許可取得に向けた南ア関係省庁への賄賂(2)送金のためのダミー会社設立費用(3)弁護士費用——などの名目で「金を貸して欲しい」と求められるという。この会社経営者も南ア国内の指定された銀行口座に複数回に分けて、計1億円を振り込んだ。だが、今春になっても約束は果たされず、騙されたことに気付いたという。

 メールの差出人名は、西アフリカ・シエラレオネの旧反政府武装組織幹部▽ナイジェリア政府高官▽南ア中央銀行高官——など、実在と架空の人物が混在している。メールを受け取ったのは中小企業の経営者や医師ら資産家が大半。会社の経営者名簿などでアドレスを調べたとみられる。

 南ア捜査当局は同国に流入したナイジェリア・マフィアやコンゴ、ジンバブエの犯罪組織の犯行とみて、英米の捜査当局とも連携して実行犯の一部を摘発したが、組織の壊滅には至っていない。

 世界に広がる事件は、ナイジェリア刑法419条に違反することから「419事件」と呼ばれる。昨年4月ごろから被害が急増し、南アの現地紙は「我が国は世界の詐欺犯罪の首都」との見出しで特集記事を掲載するなど事態は深刻化する一方だ。

 5月下旬に来日した南アのパハッド外務副大臣は毎日新聞の取材に「組織の首謀者にたどり着くのは難しい。日本の皆さんも、身に覚えのない人物から資金に絡む手紙を受け取った時にはかかわらないようにしてほしい」と訴えた。 【白戸圭一】


[毎日新聞6月3日] ( 2002-06-03-11:03 )

http://news.lycos.co.jp/topics/computer/mail.html?d=03mainichiF0603e026&cat=2

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