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2002年05月25日(土) 18時02分
<地下銀行>不正送金10年で4222億円 外国人犯罪組織 (毎日新聞) 過去10年間に摘発された、外国人犯罪組織などが「地下銀行」を使って海外へ不正送金した金額が約4221億9000万円に上ることが、警察庁のまとめで初めて明らかになった。一部大手銀行の年間の不良債権処理額に相当する。テロ対策として4月に成立した改正外為法の網をもすり抜ける海外送金が横行する実態が浮かんだ。 【大坪信剛】 地下銀行は、不法滞在者が急増し始めた90年代初めごろから、問題化した。大阪府警が92年2月、韓国人ホステスらの送金を代行した輸入雑貨販売会社などを摘発して以降、全国の警察本部は今年3月までに35件を銀行法や外為法違反容疑で摘発した。 送金先はアジア、南米、中近東の10カ国。送金額は、韓国1218億7500万円、中国1218億500万円が突出し、続いてペルー898億300万円、フィリピン413億8500万円などとなっている。 多額不正送金の摘発例は、警視庁が99年11月、8年間にわたってペルーに計687億円を送金した送金業務代行会社を摘発。兵庫県警は00年5月、ホステスらから依頼され500億円を送金していた韓国人グループを検挙した。 改正外為法は、テロ組織のメンバーなどが偽名を使って送金することを防ぐ目的で、多額(200万円超の予定)の資金を海外に送金する場合、運転免許証などによる本人確認を金融機関に義務付けた。しかし、地下銀行は直接金融機関を通さないため送金実態がつかみにくく、不法就労や薬物売買など犯罪による収益が多く含まれているとされる。警察当局は、地下銀行が外国人犯罪を助長しているとして摘発を強化していく方針だ。 ◇各国別の「地下銀行」の摘発件数と送金額◇ (92年〜02年) 国名 摘発数 送金額 (1)中国 11 1218億500万円 (2)韓国 8 1218億7500万円 (3)タイ 6 374億4000万円 (4)フィリピン 3 413億8500万円 (5)ペルー 2 898億300万円 ◇ ◇ 【解説】 「地下銀行」は身元証明の必要がなく、その日のうちに海外口座に入金されるスピードを“売り物”にしている。また、摘発されても比較的軽い刑の判決が出たケースが多いことが、新たな組織が次々と生まれる要因となっている。 茨城県警が昨年11月摘発したタイ人組織は1都2府4県に延べ2500人以上の顧客を持ち、支店的役割をする約50人が各地で顧客を抱えていた。96年から約6年で約120億円を不正送金していたという。一般の銀行利用では送金完了までに通常1週間、早くて2〜3日かかるが、この組織のメンバーは「依頼から2時間でタイ国内で入金できる」と供述した。 警察当局は過去の事件のほとんどを銀行法違反(無許可営業)=3年以下の懲役、300万円以下の罰金=容疑で摘発してきた。しかし、執行猶予付き判決が出たり、罰金額が数十万円から百数十万円のことが多い。海外での受け取り側の実態を証明しにくいのが原因になっている。防止のためには罰則の強化を検討する必要がある。 [毎日新聞5月25日] ( 2002-05-25-15:01 ) http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=25mainichiF0525e057&cat=2 |