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2002年05月22日(水) 00時00分

送り付け商法、「広く薄く」だまし取る山形新聞

 東京都内の詐欺グループが、配達員に代金を支払って小包を受け取る郵便代金引換制度を悪用してアダルトビデオを不特定多数の男性に送りつけ、現金をだまし取ったとして詐欺容疑で3人が逮捕、起訴された事件で、県警生活保安課と上山、新庄の両署は21日、25件、計39万円分の余罪を追送検した。3被告は、1人からだまし取る現金を少額に設定し、“薄く広く”集める一方、被害者側は額が少ないため警察に届け出ず、泣き寝入りするケースが多かったといい、これらの手口が長期にわたる不正行為を可能にさせ、被害を拡大させた要因となった。

 追送検されたのは▽東京都調布市仙川町3丁目、無職山口貴宏(27)▽同大田区新蒲田2丁目、会社員池田寛(23)▽同区池上6丁目、無職山口聡史(23)の3被告。首謀者は貴宏被告だった。

 【1万5000円】貴宏、池田の両被告はかつて、今回の手口と同様の方法でアダルトビデオテープを売りつけていた業者の手伝いをし、だましのテクニックを習得、2000年8月に“独立”。当時は1セット当たり3—4万円で送りつけたが、受け取りを拒否されるケースがあったため価格を1万5000円に設定したという。この価格設定は結果的に成功した。被害者は「その程度の被害ならば…」と届け出せずに泣き寝入りしたり、事情を知らない家族が立て替えたケースも多かった。安価の設定が全国に約2000人の被害を生む要因の一つとなった。

 【架空名義】貴宏被告らが、犯行時に使っていた携帯電話は架空名義で契約したレンタル電話だった。借りる際は電話で申し込み、代金を振り込んで、やはり架空名義で開設した私書箱の住所を指定して送らせた。一度も顔を合わせることなく、架空名義の電話を入手。うそのセールストークでだます際、この電話が悪用された。だまし取った代金を振り込ませていた口座も架空名義だった。悪徳商法の営業努力とは、捜査の手から逃れ、可能な限り長期間にわたって商売をすること。「架空名義」は、そのための常とう手段だった。

 【狙われる地方】貴宏被告らは、東京と沖縄を除く全道府県で犯行を重ねた。都内は警視庁の警戒網が厳しく、沖縄は郵送料が高くつくため、ターゲットから外したという。警戒が手薄な地方が狙われ、全国各地に被害が拡大した。県警生活保安課は「一般消費者を狙ったこの種の事件は特に地方が狙われる傾向が強まっている」と指摘している。

http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20020522/0000012402.html

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