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2002年05月19日(日) 03時50分

<福岡地裁>信仰理由に遺影謝罪拒否 慰謝料に700万円加算 毎日新聞

 福岡県二丈町で00年9月にあった居眠り運転の乗用車と軽貨物車の正面衝突事故をめぐり、死亡した軽貨物車の男性(当時55歳)の遺族が相手側に約1億4100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決がこのほど、福岡地裁であった。大西忠重裁判官は加害者が信仰上の理由で遺影に謝罪しなかったことなどを理由に、慰謝料に700万円を加算。計約7300万円の支払いを命じた。

 今月16日の判決によると、乗用車の男性は居眠り運転で中央線を越え、衝突された軽貨物車の男性は内臓破裂などで死亡した。遺族は加害者に仏前に線香を上げたり、遺影に謝罪するよう求めたが、拒否されたことなどから提訴。損害への補償などのほか、死後に遺族が受けた精神的苦痛に対する慰謝料も求めた。

 これに対し加害者は「真剣に謝罪したが、信仰している宗教は偶像崇拝を認めておらず、仏壇の遺影にぬかずくことはできなかった」と主張していた。

 判決は「信教の自由は保障されるべきで、遺影に謝罪することを拒否したのがただちに不誠実な態度とは言えない」としながら「信仰上の理由とはいえ、加害者側が線香を上げたり遺影に謝罪した場合に比べて、被害者側の精神的な苦痛が軽減される度合いは低い」と判断。加害者が遺族に居眠り運転だったことを説明しなかった「不誠実な態度」と合わせて、慰謝料増額の理由とした。

 事故当時19歳だった加害者は業務上過失致死罪などに問われ、執行猶予付きの有罪判決が確定している。

 遺族側の弁護士は「信教の自由を保障した上で慰謝料を認めており、遺族の気持ちに沿ったバランスの取れた判断だと思う」と話している。 【青島顕】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020519-00000110-mai-soci

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