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2002年05月18日(土) 14時50分
大阪３５％減、東京３６％増「ピッキング盗」東へ（読売新聞）今年に入って特殊な工具を使ってカギを開ける「ピッキング盗」の被害に異変が起きている。警察庁の１—３月のまとめでは、１９９９年以降、増加が続いていた大阪が４０７件で昨年同期より３５％減ったのに対し、沈静化に向かったとみられていた東京が昨年同期の３６％増の１４７９件になった。大阪、東京の周辺でも同様で、近畿が減って関東が増える傾向という。大阪の減少は、昨秋からの取り締まり強化の影響とみられるが、府警は「大阪の発生は最近も続いており、一時的に減っても安心は禁物」と警戒を続ける。「まさか自分の家が狙われるとは」。４月下旬、被害に遭った大阪市の会社員（３０）は驚きを隠せない。 帰宅すると玄関のカギが開けられ、タンスや書類入れなどが荒らされ、引き出したばかりの生活費６万円が盗まれていた。押し入れには印影のある古い通帳と印影のない新しい通帳各１通を置いていたが、古い通帳とその印鑑だけがなくなっていた。 「新しい通帳は印鑑がわからなかったから盗まれなかったのだろう。手慣れたプロの仕業だと思うとゾッとする」と会社員は話す。 警察庁によると、ピッキング盗は１９９０年代半ばから目立ち始め、東京では９７年は４５６件だったが、２０００年には１万１０８９件まで増えた。 東京では、警視庁は同年９月から機動隊員を投入するなどしてピッキング盗の大半を占めているとみられる中国人窃盗団に対する対策を強化、昨年の被害は４７２７件に減った。 一方、大阪では９９年の８３件が、２０００年は１８８１件になり、昨年は東京の減少に対し２４７７件まで増加。警察関係者は「東京のグループの一部が警戒の薄い大阪に移動した」とみていた。 ところが、今年は大阪と東京の増減が逆転。近畿２府４県でも１—３月は、京都、奈良は横ばいだが兵庫が１８６件で１３％減るなど全体で２４％減。東京以外の関東は神奈川、千葉が各７９％、３８％増えるなど増加傾向だ。このほか愛知や福岡も増えている。 府警は昨年９月に「街頭犯罪特別取締隊」を設置、ひったくり捜査や外国人を含む不審者への職務質問を強化した。最近、警視庁に逮捕された中国人は「大阪は危なくなったから東京に来た」と供述したという。 こうした状況から警察当局は、大阪に流れ込んでいた中国人窃盗団などが、府警の対策強化を嫌って東京に戻ったり、他都市へ行ったりしているとみている。（読売新聞） http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020518-00000504-yom-soci |