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2002年04月25日(木) 22時02分

<個人情報保護法案>相次いで反対集会 「希代の悪法」と批判毎日新聞

 表現・報道の自由への制約が懸念されている個人情報保護法案の趣旨説明があった25日、法案に反対する集会が相次いで開かれた。「民主主義の大きな曲がり角だ」「社会の不正を暴けなくなる」。参加者は審議入りに抗議の声をあげていた。

 フリージャーナリストやノンフィクション作家らでつくる「個人情報保護法案拒否!共同アピールの会」は、国会近くで記者会見を開き、声明を発表した。声明は、法案について「個々人の表現活動を規制するばかりの希代の悪法だ」と批判したうえで、小泉純一郎首相に衆院の解散を求めた。

 会見で、ノンフィクション作家の吉田司氏は、秘書給与問題や愛人スキャンダルなど与野党議員ともに不祥事が続発していることを指摘し、「国会は、色と欲とカネにまみれて、いわば液状化してしまった状態にある。いまの国会議員には日本の針路を決める重要な法案を審議する資格はない」と、衆院解散を求めた理由を語った。

 作家の城山三郎氏は「個人情報保護法案は、本来役人による悪用を罰するための法律だったものが、役人が国民を罰する法律にすり替えられている」と述べた。

 共同アピールの会は29日、福田康夫官房長官の地元・群馬で、政権運営を批判するデモを行うほか、小泉首相の地元・神奈川でも同様の行動を行う方針だ。

 国会内でも同日夕、反対集会が開かれ、作家や市民、野党議員ら約30人が参加した。

 社民党の保坂展人・衆院議員は「小泉首相は本会議の答弁で官僚の作文を繰り返し読み直していただけだ。党首討論会の開催を呼び掛けていきたい」と発言した。小宮山洋子参院議員(民主)は「個人情報保護法案は廃案にするしかない。関連法案として提案されている行政機関個人情報保護法案は修正するよう努力したい」と訴えた。

 ◇法案に異議を唱え続けている城山さんだが、法案に反対する記者会見に臨んだのは、この日が初めてだ。

 「小泉首相にはがっかりしたというよりは、腹立たしささえ感じる」

 城山さんは1年前に小泉首相に個人情報保護法案の廃案を求める手紙を出した。つい最近も、月刊誌で対談し、「表現の自由」に小泉政権が配慮することに期待し続けてきた。「清心な内閣だ」と高く評価もしていた。

 しかし、3月21日、訪問先の韓国で小泉首相は、法案成立に前向きな発言をした。「報道、言論の自由とプライバシーの保護は両立できる」。その言葉の真意を確かめたくて、2度目の手紙を首相に書いた。

 「一点だけ答えてほしい。治安維持法の下で言論の自由があったと思うか」

 しかし、返事はなかった。

 小泉首相は、この日の午後、衆院本会議で行われた法案への質疑では、官僚が用意した書類に目を落としながら答弁を続けた。

 「小泉内閣は、官僚に迎合し、官僚に動かされている実に情けない内閣だ」。首相に向ける言葉はどこまでも厳しかった。 【臺宏士】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020426-00000116-mai-soci

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