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2002年04月01日(月) 09時52分

<弁護士詐欺>被害者、仕組み知らず「裁判費用」毎日新聞

 奈良弁護士会の弁護士、河辺幸雄容疑者(52)=詐欺容疑で逮捕=による依頼者からの現金詐取事件で、河辺弁護士に依頼し被害に遭った人たちは、ほとんどが裁判の仕組みをよく知らなかったことが31日、奈良弁護士会(会長・多田実弁護士)の被害者聞き取り調査で分かった。「裁判費用」と言われるまま高額の借金をして渡すと、疑念を抱かれないように工作され、破産した人まで出ているという。すがる思いの依頼人の心理を巧みに利用した悪質な行為に同僚弁護士もあきれ果てている。

 同弁護士会によると、裁判費用としては保証委託金などが必要。保証委託金は裁判所に預けられ、勝訴した場合は戻ってくる仕組みで、裁判費用の総額は訴訟の請求額の2〜3割が一般的。しかし、ほとんどの被害者は河辺弁護士に5割近くを請求され、高額とは気付かずに支払っていた。

 河辺弁護士は請求の際、裁判費用を「供託金」と表現。多くの被害者は裁判用語と思い、よく分からないまま渡していた。ある女性被害者は「勝訴するには、早く用意しないといけない」と言われ、急いで300万円を工面した。「考えさせる時間を与えず、要求するとは許せない」と憤る。

 一方、河辺弁護士は「土地問題に詳しい弁護士」として有名だった。今年2月、体調不良を訴えて辞任するまで奈良県宅地建物取引業協会の顧問弁護士を10年以上務め、経歴を信頼して依頼者も相次いだ。ある男性は供託金名目に250万円を預けたまま戻らないという。「経歴を信用したのが失敗だった。不動産が絡むと通常の訴訟より着手金が高くなる。そこに目を付けたのではないか」と話す。

 96年には、実際には手続きをしていないのに、依頼者に訴訟を起こしたとうそをついたとして、日本弁護士連合会から「戒告」処分を受けた。にもかかわらず、行動は改まらなかった。ある男性は河辺弁護士に裁判日程を聞き、その日に奈良地裁に出向くと河辺弁護士が玄関前におり、「法廷での用は済んだ」などと説明されて、そのまま帰らされた。裁判は起こされておらず、男性は「発覚させない手口だったのでしょう」と憤る。

 次々と表面化するずさんな弁護活動に、調査にあたる弁護士の1人は「依頼者をばかにするのもいいかげんにしてほしい」と唇をかんだ。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020401-00000114-mai-soci

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