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2002年03月30日(土) 15時30分

<取り込み詐欺疑惑>同一弁護士が“疑惑企業”11社を担当毎日新聞

 大阪市の雑貨販売会社を中心とする大規模な取り込み詐欺疑惑で、事後処理を引き受けていた大阪弁護士会所属の弁護士(89)が、最近3年間で、同様に詐欺疑惑が浮上している11社の代理人をしていたことが30日、毎日新聞の調べで分かった。11社の負債総額は約50億円で、うち複数の企業について取引先が大阪府警などに詐欺容疑で告訴している。短期間に疑惑企業の事後処理を集中的に受任するのは不自然で、被害者や法曹関係者から非難の声が上がっている。

 同弁護士が事後処理を受任したのは、昨年11月に約25億円の未払い代金を残し倒産した大阪市北区の雑貨販売会社、00年に8億円の負債を抱えて事務所を閉鎖した大阪市中央区の雑貨販売会社など、判明しているだけで11社。うち6社は、東京都や千葉県内だった。

 ほぼすべての会社が倒産直前まで商品を大量に買い付け、代金を支払わずに事務所を閉鎖。「破産の申し立てをすることになった」とする同弁護士名の「おわび文」を張り出したり、債権者に郵送していた。

 同弁護士は、大阪市の雑貨販売会社については、福岡県警が詐欺容疑で捜査を始めた直後の2月中旬、「自分が受任した別の会社と手形のやり取りがあることが分かった。利害関係者にあたるので降りる」と説明して代理人を辞任している。

 被害企業の弁護士事務所では「1社か2社なら『気付かなかった』かもしれないが、これだけになると詐欺グループとの関係を疑いたくなる。弁護士の信頼にかかわる問題だ」と憤る。

 問題の弁護士は「詐欺などの事件性があれば覚えているかもしれないが、通常の破産なので覚えていない。関係ない話だ」と話している。 

 取り込み詐欺の疑いがある企業の代理人を集中的に受任していた大阪弁護士会所属の弁護士(89)。5年前に大阪府警が社長ら5人を逮捕した「トーショウ産商」の約43億円の取り込み詐欺事件でも、同社や関連会社の代理人として登場していたことが30日、分かった。今回の疑惑と合わせると、被害総額は100億円近くになる。全国から被害申告が相次ぐが、弁護士は「関係ない」と話している。

 関係者によると、この弁護士は号を持つ俳人で、平日から頻繁に句会に出席。事務所の実務は事務局長(71)が取り仕切っているという。トーショウ産商事件では、この事務長が社長から捜査員へのわいろ工作を仲介し、汚職事件に発展する原因を作った。

 同弁護士が担当した中に破産申し立てをした会社もある。しかし、裁判官や、破産管財人に内定した弁護士が集まる審尋の席で同弁護士は一切口を開かず、事務所の職員と名乗る人物が説明していた。

 また、00年5月に閉鎖された大阪府吹田市内の雑貨販売会社の張り紙を見て、被害者が弁護士事務所に「資料をファクスで送ってくれ」と電話で頼んだところ、電話口に出た弁護士は「私はファクスを使えない。事務所に人がいないのでまたにしてくれ」と断ったこともあったという。 【取り込み詐欺取材班】

◆同一弁護士が事後処理を担当した詐欺疑惑企業一覧◆

(業種はすべて雑貨・日用品等販売)

 所在地   閉鎖時期 負債額

川崎市川崎区 99年2月 不明

大阪府吹田市 00年5月 5億円

東京都文京区 00年11月 3億円

大阪市中央区 00年12月 8億円

東京都中央区 01年8月 不明

東大阪市   01年9月 2億円

大阪市北区  01年11月 25億円

東京都豊島区 01年11月 5億円

千葉県船橋市 01年12月 不明

大阪府和泉市 02年1月 1億円

千葉県松戸市 02年1月 不明(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020330-00001071-mai-soci

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