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2002年03月25日(月) 13時15分

「八葉」田所名誉会長、先月出国連絡とれず読売新聞

 「マルチ革命」とうたった委託販売システムは、破たんが確実のねずみ講まがいの商法だった。警視庁が25日、出資法違反容疑で捜索をした健康食品販売会社「全国八葉物流」。「1年で出資金が倍増」という甘い誘い文句に、2年半で約4万8000人が集まったが、会員を獲得し続けなければ行き詰まる仕組みだった。

 東京都目黒区の女性(54)は昨年3月、約157万円を出資して「代理店」の資格を得た。それまで暮らしていたグアムから帰国。以前経営していた飲食店を再開しようとしたが、「この不況では難しい」と断念。そんなとき、知人から勧誘を受けた。

 「利率がいい」と勧められ、同年9月までに新たに5口契約して代理店より1ランク上の「販社(はんしゃ)」に昇格した。紹介料などが増額され、10月の“収入”は約440万円に上った。

 販社は月に代理店1口の勧誘がノルマ。余裕はなかったが、預金を崩したり、配当を回したりして資金をかき集めた。破たん前には、契約が9口、出資金や商品代など支払額は約1570万円に膨らんだ。

 しかし、入金は約1320万円。戻るはずの出資金も失った。女性は「冷静に判断ができなかった」と悔やむ。

 全国の消費者生活センターへの相談は25日現在で約1370件。うち40—60代の女性が半数近くを占めた。1人で330口、約5億1000万円を投資した九州の男性もいた。

 巨額の資金を集めた「八葉ビジネス」を支えたのは、実質的経営者の田所収・名誉会長(68)。消費者問題の専門家から「マルチの大物」と呼ばれる一方、自ら業界のリーダーを名乗り、法律的知識を駆使してマルチ商法の解説書も出版していた。

 会員報などによると、田所名誉会長は、15年以上前、ステンレスなべセットの販売でマルチ商法に手を染めたという。

 その後、健康食品販売会社「ティー・ビー・エム」(東京都)で、カニエキスなどが原料の健康食品の販売を開始。会員は若者中心に約2000人に上ったが、94年2月、千葉県警から訪問販売法違反容疑で逮捕され、罰金刑を受けている。

 編み出した委託販売システムを「経済革命」と称し、講演会で「従来のマルチは『自分だけもうければよい』という発想」と批判。宗教的な話題で主婦や高齢者を引きつけ、「田所が顔を出すと新規会員が急増した」と元幹部。昨年9月、名誉会長に退いてからも影響力を残していたが、今年2月、海外に出国したままで、幹部も連絡が取れないという。

(3月25日13:15)

http://www.yomiuri.co.jp/04/20020325ic06.htm

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