悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2002年03月22日(金) 06時12分

健康食品販売で1500億円集金の八葉物流、強制捜査へ朝日新聞

 「出資金が1年で2倍になる」との触れ込みで出資を募りながら、出資した会員に配当ができず、495億円の負債を抱えて破産宣告を受けた健康食品販売会社「全国八葉物流」(本社・沖縄県北谷町)が会員から1500億円余りを集めていたことが21日、警視庁の調べでわかった。同庁は、同社幹部が破たんのおそれを知りながら配当を約束して集金したとみて、詐欺容疑での立件を視野に、週明けに出資法違反(預かり金の禁止)容疑で強制捜査に乗り出す。

 集金額は、金のペーパー商法で約2000億円を集め、過去最大の詐欺事件とされる豊田商事事件に次ぐ規模になるとみられる。

 同社は、健康食品販売業や不動産業などをしていた「八葉グループ」(田所収名誉会長)の中核会社。関係者によると、グループは同社のほか東京都と沖縄県に6社あり、警視庁はグループの実態解明を進める。

 約150万円を出資した会員を「代理店」、約30万円の会員を「特約店」と呼び、同社の健康食品販売を代行するとしていた。会員は何口でも出資でき、同社は販売委託を受けた商品の売り上げから、代理店1店について年間300万円、特約店には49万円を支払うと説明していた。

 新たに出資会員を勧誘すると、紹介料や新規加入会員が販売委託した商品の売り上げの一部も支払うシステムを取り入れ、ピラミッド型に組織を拡大、会員約4万8000人を集めた。関連の「八葉薬品」(本社・同)が99年9月から始めた商法を昨年3月に引き継いだ。

 会員らからの事情聴取を進めていた警視庁は、全国八葉物流が利益を確約して出資を募っていたことが同法違反に当たると判断。また、同社は事実上、商品の販路を持たず、会員から集めた金を別の会員への配当や紹介料に充てるなど、破たん必至の商法で、実現不可能な配当を約束していたとみている。

 同社は1月29日に東京地裁から破産宣告を受けた。総資産額は81億円。会員約8000人には配当や紹介料として、出資額のほかに計271億円を支払ったが、約4万人には出資金を返していない。会員の多くは中高年の女性で、年金生活者もいるという。これまでに25都道府県で被害対策弁護団が結成されている。

 東京都内の50代の保険外交員は、積み立て型の生命保険を解約して約450万円を出資したが、150万円しか支払われていない。「老後の蓄えを増やそうと思って出資した。誘った友人にも700万円の損をさせ、人間関係を壊すことをしてしまった」と話した。

 同社は破産宣告を受ける前、朝日新聞社の取材に対して、「担当者が不在で答えられない」としていた。(06:12)

http://www.asahi.com/national/update/0322/001.html

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ