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2002年03月09日(土) 00時00分

小林容疑者、知人に頼まれ借金東奥日報

 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件で逮捕された小林光弘容疑者(43)が複数の消費者金融に借金を抱えて困窮するようになった要因に、仲人をしてもらった女性から用立てを頼まれたために借りた二百万円があったことが、八日までの関係者などの話で分かった。仲人の女性はその後二〇〇〇年に自殺したが、その直前、詐欺容疑で青森署から全国に指名手配されていた。借金については小林容疑者も被害者だった側面は否定できず、この女性のために作った借金返済や住宅ローンなどで雪だるま式に額が増え苦境に陥っていったとみられる。弘前署と県警の捜査本部も、既にこうした借金の事実を把握している。

 関係者の話などを総合すると、小林容疑者は一九九七年ごろ、自身の仲人の女性に「面倒を見ている一人暮らしの老人から近々一千万円もらえる予定だが、その手続きに金がいる。貸してもらえないか」と持ち掛けられ、青森市内の四つの消費者金融から五十万円ずつ、計二百万円を借金したとされる。同容疑者の妻も消費者金融から五十万円を用立てていたという。

 それまでの小林容疑者は、九五年に新築した家のローンがあったものの、手取り約二十万円の月給、妻の頑張りで返済し、生計を立てていたとされる。ところが、この女性に貸すために初めて消費者金融から借金。取り立てがやってくるなど苦境に陥ったという。

 一時は同僚を交え、女性に金を返す旨の念書を書かせたりしたとされるが、既に督促に困っていた小林容疑者は、退職金を見込んで十年勤めた青森のタクシー会社を退社。それでも借金は残ったため、職場を転々。東京のタクシー会社にも勤めたが、思ったほど収入もよくなく三カ月で帰省している。

 その後も、増収を見込んだ小林容疑者が運送業に移った矢先の〇〇年四月末。行方をくらましていた女性が、岩手県にある港で一家三人と心中。女性はその直前、詐欺容疑で青森署から指名手配されていた。小林容疑者も信じ込み、被害者の一人だった可能性があり、女性の死で借金を完全に背負う形になったという。

 転職を繰り返しても収入は大きく増えることはなく、一方で、借金の取り立ては月収の倍に上っていたとされる。そうした中、競輪の借金は膨れ上がったとの見方も。捜査本部は、犯行が金目当てとの見方をほぼ固めており、小林容疑者の債務の実態などについて詳しく捜査する。

 ◇

 当番弁護士として、小林光弘容疑者(43)の起訴前の弁護活動をしている中林裕雄弁護士が八日、同容疑者に接見し、弘前署で記者団に対し、その模様を語った。同容疑者は、武富士弘前支店を狙った理由を「消費者金融なら逃げやすいと思った」とし、「自己破産の説明会の際などに通り掛かり、以前から同支店を知っていた」などと話しているという。

 中林弁護士によると、小林容疑者は、動機は借金で、「銀行、郵便局も考えたが、人が多いのであきらめた」と話しているという。七日に浪岡町の山林で発見されたオイル缶については「自分が捨てた缶」と認めている。

 犠牲者や被害者に対して「人生、命を奪ってしまい、ひたすら頭を下げるだけです。後は、法の裁きを受けるだけ」などと話しているという。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0309/nto0309_9.html

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