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2002年01月17日(木) 00時00分

<アメリカ便り>ブロードバンド伸びにかげり  中日新聞

 昨年、利用しているCATV(ケーブルテレビ)会社から、最悪の事態に備えてメールは毎日ダウンロードし、ダイヤルアップ接続ができるようにしておくようにとの連絡が届いた。

 このCATV会社は、十月に倒産したエキサイト@(アット)ホーム(日本では営業中)の高速インターネットサービスを利用している。倒産後、同社とインターネットサービスの継続に向けて協議をしてきたが、結局、ユーザーを自社のネットワークに移す二月末までの三カ月間、エキサイト@ホームに料金を支払うということで合意に達した。サービスは支障なく続行されるというメールが届き、私もホッとした。

 エキサイト@ホームの主要株主であるAT&T(米国の大手通信会社)が、エキサイト@ホームのケーブル関連資産を三億ドル(約三百九十億円)以上で買収するという合意を撤回したため、AT&Tの八十五万人のケーブルユーザーは、突然、インターネットサービスが停止される羽目となった。サンフランシスコ郊外に住む私の知人もその一人で、過去二カ月で二度、メールアドレスが変わった。

 アメリカでは、昨年、DSL(インターネット用高速回線の一種)プロバイダーが次々につぶれ、新規参入組は姿を消してしまった。ブロードバンド(インターネット用高速回線)ではケーブルのユーザーが一番多く、ブロードバンドの伸びはケーブルによって支えられてきた。しかし、エキサイト@ホームの倒産とそれに伴うゴタゴタで、今後の伸びにかげりが見え始めた。

 ブロードバンドユーザー全体の伸びも、低下を続けている。ユーザー数は、二〇〇一年九月末時点で一千万人、オンライン世帯の16%に達したが、第三・四半期の伸び率は14・2%に鈍化した。

 ブロードバンドと騒がれるわりには、私の周りでも自宅で利用している人は少ない。私の友人知人にはエンジニアなどIT(情報技術)職が多いが、それでも利用者は少数派だ。皆、職場では高速インターネットが使えるので、自分で月五十ドル(約六千五百円)も払って利用するまでの価値はないということなのだ。

 こうしてブロードバンドの成長が期待はずれの中、電話会社が政府に泣きついた。現在、ブロードバンドを巡り、市場ではなく、議会で大きなバトルが繰り広げられている。この話は次回に…。

 (有元美津世=米南カリフォルニア在住、コンサルタント)


http://www.chunichi.co.jp/00/dgi/20020117/ftu_____dgi_____001.shtml

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