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2002年01月05日(土) 14時28分

「車担保で融資」と法外利息 無登録業者暗躍河北新報

 「愛車を担保に融資します。車の買い戻しもOK」などと宣伝し、客が車を買い戻すまで、法外な利息を要求する業者が仙台市内で暗躍している。買い戻しの期限が過ぎた車は、転売して利益を上げているとみられ、利息と車転売で二重に暴利をむさぼる商法。融資を行う業者は国や都道府県に貸金業として登録する必要があるが、無登録業者が多く、宮城県警は貸金業法違反(無登録)と出資法違反(高金利)の疑いで情報収集を進めている。(報道部・木村正祥)



<上限金利の37.5倍に>

 トラブルが多発しているのは、マイカーを担保にして業者と車の売買契約を結び、車の査定価格の範囲内で融資を受ける—というケース。客は違約金を払えば売買契約を解除、車の買い戻しができるし、買い戻しの期限まで車の使用もできる。ただ、返済期限に間に合わない時は、日割りで利息が付く。融資の元金や利息を払わない客の車は“質流れ”となり、売られてしまうことになる。

 業者は契約時、客の住民票と車検証、車の譲渡証明書など転売に必要な証明書も提出させている。正式な手続きで車を売却するためだ。

 名取市内の男性会社員は昨年、「車を買い取ります。車に乗ったままで融資オーケー」との広告を見て、仙台市内の業者に車を15万円で売却する契約を結び、10日後に買い戻す約束をした。しかし、男性は期限までに15万円を用意できず、一日当たり4500円の利息を請求された。最初の期限の10日後、元金と違約金を払ってようやく車を買い戻した。15万円の元金に対し、男性が20日間で払った利息分は計9万円にもなった。出資法の上限金利(年29.20%)の37.5倍にも上る。

 業者による車の査定価格は約200万円。仮に業者が車を転売できれば、融資した15万円が何倍にもなる計算だ。



<みなし規定に該当>

 宮城県北地方の自営業の女性は、仙台市内の別の業者とトラブルになった。車を担保に25万円の融資を受けたが、4カ月間で50万円以上の利息を払った揚げ句に、車は戻らなかった。女性は「利息が高過ぎる」と抗議したが、業者は「車は契約に基づいて買い取った。それに、うちは貸金業者ではない」と取り合わなかったという。

 「売買」という契約形態を取っているが、出資法は「手形の割り引き、売り渡し担保などの方法による金銭の交付、授受は金銭の貸し付け、貸借とみなす」と規定している。宮城県経営金融課も「車を担保にしての融資は、この『みなし規定』に該当する」との見解を示す。



<埼玉県では摘発も>

 宮城県外では既に、悪質業者が摘発されている。埼玉県では昨年10月、和光市の業者が出資法違反(高金利)などの疑いで、埼玉県警に逮捕された。

 この業者は埼玉県に貸金業登録をしていたが、東北地方など23府県の400人以上に、最高で出資法の上限金利の40倍もの金利で融資していた。担保として預かった車は転売され、埼玉県警が家宅捜索した時には約70台の車が保管されていたという。

 車を担保に融資をする業者に関する苦情は宮城県経営金融課に年間、20件前後寄せられている。同課は「業者が貸金業の登録をし、車の売買に必要な古物営業の許可も取っているかどうか。そこを確認することが大切」と業者選びについてアドバイスしている。



<車担保ローン>業者は貸金業の登録が義務付けられているほか、担保に取った車の転売も行う場合は、都道府県公安委員会から古物営業の許可を受ける必要がある。出資法の上限金利の範囲内で融資すれば問題ないが、ローンやクレジットで購入した車の所有権は信販会社や自動車販売会社にあるため、ローンの返済が終わっていない車を勝手に転売すれば、横領の罪に問われる。

[河北新報 2002年01月05日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020105-00000024-khk-toh

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