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2001年12月30日(日) 00時00分

住宅メーカー 「テール」が営業を停止 宙に浮いた60戸の建設 東京新聞

 住宅メーカー「テール」(水戸市三の丸)が営業停止状態に陥り、約六十戸の住宅建設が滞っていることが二十九日までに分かった。同社は再建を約束しているが、具体策を示していないため、契約者は「完成するか心配で年を越せない」と悲痛な叫びを上げている。

 「二軒隣の家が先に完成してしまった…」。屋根の取り付けが終わったまま工事が止まった“家”の前で、男性会社員(37)はため息をついた。数年間の海外赴任生活を終え今春、十社以上の住宅メーカーを下見した末、八月末に「良心的な価格で質の良い設備を提供している」とテールと契約した。木造二階建てで約二千万円。これまでに千五百万円を払い、住宅ローンの返済が始まった。

 しかし、屋根張りが終わった先月初旬、突然工事がストップ。五日に、同社から経営の行き詰まりを知らせる手紙が届いた。建設を任された下請け業者は「二カ月前から工賃が入らず、材料も手に入らない」と繰り返すばかり。事実関係を確認しようと駆け回ったが幹部と連絡が取れず、ようやく二十五日に同社説明会が開かれた。

 当日、会社員のほかに数組の契約者が出席し、「早く家を建ててほしい」「契約金を返してほしい」と訴えたが、同社は「関連の建設会社に経営を乗っ取られた」「再建まで待ってほしい」の一点張りだった。

 県消費生活センターなどによると、契約者の支払額は二十万円から一千万円以上とさまざまだが、すべての工事が止まっているという。契約を解除して新たな業者と契約を結ぶか、債権債務の譲渡契約を結ぶよう助言しているが、ほとんどが解決策をつかめていない。

 同センターや県土木部管理課には相談が殺到しているが、「倒産してないので対応が難しい。住宅メーカーでこれほど多くの苦情は初めて」と顔を曇らせる。

 同社は一九八七年七月設立。二〇〇一年四月期決算では、完工棟数は四百六十に上り、前期比16%増の八十三億円の売上高を計上し、優良成長企業とされていた。

 本紙は同社幹部に取材を申し込んだが、二十九日現在、応じていない。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20011230/lcl_____ibg_____001.shtml

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