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2001年12月20日(木) 00時00分

エッ!!だれが… 身に覚えないのに国際電話の請求相次ぐ アダルト系利用で自動接続 集合住宅の端子盤に細工 “証拠”あれば 支払い拒否も 中日新聞

 かけた覚えのない国際電話の料金が請求され、仰天したという訴えが本紙にたくさん寄せられた。いずれも自宅の電話を使った形跡はないという。電話会社側は発信記録を基に料金を請求しているが、「何者かが電話回線を細工して不正に利用したことも考えられる」と指摘する電話業界の関係者もいる。なぜこんなことが起きるのか−。 (重村 敦)

 名古屋市のAさん(43)は、今年一月、KDDIから国際電話の請求書が届き、驚いたという。通話先はインド洋上の「ディエゴガルシア」。金額は一万五千七百円。家族は、だれも電話した覚えはなかった。問い合わせて送られてきた明細書を見ると、一月十日から十五日にかけ、五回通話していた。通話時間は一分未満から十七分程度で、通話先として四種類の番号が載っていた。

 納得できないので請求に応じないでいると、十月、KDDIに委託された東京の法律事務所が「法的手続きをとる場合がある」と通知してきた。Aさんは払うつもりはないが、裁判になるのではと不安が膨らむ。

   ■   ■

 「身に覚えのない国際電話」に共通しているのは、通話先がセーシェル、ディエゴガルシア、モルドバなど、あまりなじみのない国や島ばかり。KDDIによると、雑誌などに載っているアダルト情報などの電話サービスの通話先がこれらの地域の電話番号になっている場合が多いという。読者から寄せられたケースもその種の電話サービスの可能性が高い。

 サービス提供業者が外国へ電話させる仕組みを取っていることに、KDDIは「国際電話会社は、日本からかけた通話料金の一部を相手国の電話会社に支払っており、そこから業者にバックマージンが流れている可能性がある」と推測する。

 なぜ、使った覚えがないというトラブルが発生するのだろうか。

 国際電話会社は、電話契約の発信記録を基に、電話契約者に料金を請求する。約款によると、電話の利用があれば、だれが使用したかにかかわらず、契約者が料金を支払わないといけない。

 考えられるのは、名義人が知らないうちに、家族やその家を訪問した人らが使用するケース。国民生活センターの担当者も「実際に調べてみると、家族や知人などのだれかが使っていたことが発覚することがほとんど」と話す。また、インターネットでアダルト情報のホームページなどにアクセスした際、国際電話へ自動接続するソフトを呼び込み、その後インターネットにつなぐたびに外国へかけてしまうというケースも多い。

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 しかし、Aさん宅ではだれもパソコンは持っていないという。本当に電話を使っていないのに、使ったことになるケースはないのだろうか。ある電話業界関係者は「別に犯人がいて、電話回線を不正使用した可能性もある」と話す。

 戸建てへの電話回線は、電線から一回線ずつ引き込まれているが、マンションなどでは、多くの回線が集中する電話端子盤が設置されており「操作」しやすい。関係者は「最近のマンションは不正接続しにくい端子になっているが、そうでない場合、電話の知識があれば、端子盤の回線を結び替え、別の人の回線を使うことができる」と解説する。こうした“外部犯行説”について、NTT西日本も「実際にあるとは聞いていないが、技術的には可能」と話し、利用者側から希望があれば、調査するという。

“証拠”あれば 支払い拒否も

 また、KDDIは「不正接続の疑いがあれば、捜査機関に被害届を出すようお願いしたい」と説明する。

 使った事実がない請求書が来た場合、利用者はどうすればいいのか。ある弁護士は「電話を利用したとされる時間に家族が不在だったなどの“証拠”を集め、使っていないことをきちんと主張することが大事」と話す。また、「国際電話不取扱センター」=フリーダイヤル(0120)210364=に連絡し、国際電話の利用を休止することもできる。


http://www.chunichi.co.jp/00/kur/20011220/ftu_____kur_____002.shtml

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