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2001年12月15日(土) 12時27分

W杯:チケット争奪が激化 ネットでヤミ売買も 毎日新聞


 サッカーのワールドカップ(W杯)の国内向けチケット2次販売が行われ、1次リーグの一部カードを除き、完売した。来年4月中旬以降、現物が送付される。チケットには購入者の名前が入り、譲渡禁止が原則。しかし、確保したものの転勤などの理由で観戦できない人が出てくることは避けられない。利益目的の転売を防ぎながら、名義変更のルールをどう定めていくのか。日本組織委員会(JAWOC)の対応が今後の焦点だ。 【北村弘一】

 ◇見に行けない

 さいたま市に住む30代の男性会社員は、友人や親類ら数人の名前を使って申し込んだ1次販売で神戸開催の1次リーグ1試合を確保。さらに、海外販売でデンマークのチーム指定型チケット(決勝まで7試合)、埼玉開催の高額チケット3試合分を押さえた。支払いは計11試合で43万円に上る。

 ところが、組み合わせの結果、デンマークは1次リーグを韓国で戦うことになってしまった。神戸の試合も仕事の都合で観戦が難しいという。「カードも開催地も分からない状態で入手する必要があった。観戦できないファンは多いはず。交換などの方法を認めるべきだ」と訴える。

 ◇絶えぬヤミ売買

 組み合わせが決まり、水面下のチケット争奪戦は激しさを増している。

 JAWOCはインターネット上で競売サイトを運営する大手数社に、W杯チケットが出品された場合の削除を求め、ヤフー・ジャパンでも確認次第、情報を削除している。しかし、インターネットの性質上、当初の掲載は止められない。

 メーンスタジアムの最もいい席の場合、日本戦や決勝は1枚30万円台、1次リーグの好カードは20万円台の値がつく。削除を見越して、出品者は「今後の連絡は私に直接」と書き込む。

 JAWOCは正当な理由がある場合だけ名義変更を認める方針だが、ルールは大会直前まで公表しない。公表された途端チケットが闇市場に出回るのを警戒するからだ。

 ◇チェックどこまで

 インターネットで情報が流れるのは、名義変更を認めざるを得ないJAWOCの立場を見越してのこと。「満員のスタジアム」が至上命題だからだ。会場ゲートにおけるチケットの氏名と身分証明証との照合作業を、どこまで厳密に行うのか、との問題もある。

 米国同時多発テロでセキュリティー問題が改めて浮上、「身分確認は厳格にせざるを得ない」(JAWOC)という情勢はある。一方で、3万、4万という観客一人一人に多くの時間はかけられないのも確かだ。

 インターネットには、「身分証明証のコピーもつけます」という転売情報もある。JAWOCの御園慎一郎・業務局長は「最初から転売目的で入手している例も多い。やむを得ない例をどう区別するか」と頭を抱える。

 チケット譲渡をめぐる攻防戦は、まだ序章に過ぎない。

[毎日新聞12月15日] ( 2001-12-15-12:27 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20011215k0000e040050000c.html

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