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2001年11月04日(日) 00時00分

 卒業アルバムから消える住所録、電話番号神戸新聞

 学校の卒業アルバムから住所や電話番号が消えつつある。学級の緊急連絡網さえ、必要な部分しか配らない小学校も増えている。背景にあるのは子どもの個人情報をめぐる“攻防”。電話番号を聞き出そうとする不審電話が各地で相次ぎ、卒業名簿を買い取るというダイレクトメールが学校にまで届くためだ。「名簿は同窓会活動の基盤」との反対意見も旗色は悪い。(企画報道班)

□学校から漏らせない

 「卒業アルバムの写真にミスがあるかもしれないので連絡したい」

 この春、加古川市内の中学一年生の家に電話がかかってきた。実在の写真館を名乗る相手に同窓生の電話番号を問われ、答えた生徒もいる。しかし写真館はそんな電話をしていなかった。

 不審電話は数年前からある。市職員や警察、運送業者をかたったり、「ゲームソフトをあげるから、一時間ほどアルバムを貸して」と頼んだり。「年々巧妙になる」と校長たちは嘆く。だれが電話をしているのか、分かっていない。

 同市教委は四月以降だけで三度、口頭や文書で全校に注意を促した。自衛策も広がる。昨年度の卒業アルバムに住所も電話番号も載せなかったのは、市内二十七小学校のうち七校。住所のみの掲載は十七校に上った。

 新たに住所、電話番号を外した三校のうち一校には昨年九月、東京の名簿業者から郵便が届いた。「卒業名簿を高価で買い取ります」とあった。市教委が業者に抗議した。校長は「ふざけた話」と、今もぶ然としつつ、こうも話す。「学校から個人情報を漏らすわけにいかないと、あらためて思った」

□連絡網不要論まで

 神戸・阪神間では名簿の不掲載がさらに進む。運送業者を名乗り「クラスのほかの子にもポケモンのタオルが当たった。電話番号を教えてほしい」と子どもから聞き出そうとする電話があった伊丹市では、小学校十七校のうち十四校が卒業アルバムから住所録を外している。学級の緊急連絡網も、グループの四—六人分の電話番号しか配らない学校が多い。

 「PTAの連絡などで不便もあるが、安全を考えれば仕方ない。連絡網不要論さえある」

 疑い出せば自衛策に完全はない。「どこまでやればいいのか」。ため息をつく校長もいる。

□非掲載58%

 幼稚園から大学まで全国約八千校の卒業アルバムを請け負う印刷会社(大阪)の話では、小・中学校でアルバムから住所録を外したのは一九九九年で51%、二〇〇一年で58%。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/011104ke28500.html

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