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2001年10月03日(水) 01時21分

「洗剤いらない洗濯機」は本物か 業界が激論朝日新聞

 「洗剤がいらない洗濯機」で汚れが落ちるのか−−。発売元の三洋電機と洗剤業界の間で論争が起きている。洗剤メーカーの団体は2日、「汚れは落ちない」と独自の試験結果を公表。かたや三洋は「軽い汚れは落ちる」と、売り込みを強化する方針。お互い水には流せそうにない。

     ◇

 「汚れを十分には落とせない。消費者は満足できない」。洗剤メーカー25社でつくる日本石鹸(せっけん)洗剤工業会の神田豊輝専務理事は2日、東京都内で記者会見を開き、三洋が8月1日に発売した洗濯機「超音波と電解水で洗おう」(標準小売価格11万8000円〜12万8000円)を批判した。

 この洗濯機には、水道水を電気分解して発生させた活性酸素と次亜塩素酸で洗浄、除菌する「洗剤ゼロコース」機能がついている。1日着た程度の肌着や、少し使っただけのタオルなどは約1時間かければ洗剤なしでも汚れが落とせる、とアピールしている。

 洗剤業界はたまらない。「長時間の洗濯で繊維が傷みやすく、色あせしやすい」「汚れが再付着する」。神田専務理事は独自の試験結果をスライドに映しながら、欠点を数え上げた。

 洗剤業界の危機感が深まったのは8月半ば。この洗濯機が全商品の中で売り上げ1位を記録する量販店も出たからだ。

 洗剤全体の販売量のうち洗濯用洗剤は7割。花王やライオンにとって収益の柱になっている。ただ価格競争の激化やデフレの中で価格が下落。洗濯用洗剤の売上高は94年の2242億円をピークに00年は1796億円と低落傾向にある。

     ◇

 洗剤工業会の会見から約1時間後、三洋電機は東京と大阪で反論の記者会見を開いた。

 「ほら、十分きれいになります」。大阪府守口市の本社で、黒目詔策執行役員は洗剤ゼロコースの洗浄力を実演してみせた。購入者の9割が満足しているという調査結果も示し、「使われる主婦のみなさんが判断すること」と強調。環境問題に貢献しているとの自負ものぞかせた。

 この洗濯機は発売後2カ月間で過去の三洋製品と比べて5割増の約3万台を販売。「洗濯機の歴史を変える」(井植敏・三洋電機会長)ヒット家電になりそうだ。

 早速、シャープは三洋とは別方式で洗剤不要コースを持つ洗濯機を11月に発売することを発表、日立製作所や東芝も洗剤を使わない洗浄方法を研究している。

(23:46)

http://www.asahi.com/national/update/1002/037.html

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