1999年09月28日(火) 00時00分

“ネズミ講”ネットで宣伝供養権会員紹介出資法違反容疑で捜索毎日新聞

 空海が開いた「高野山」の仏舎利宝塔(和歌山県)を舞台に、東京都台東区の永代供養権販売業「高野山釈尊会」=葉山敏夫総裁(65)=が、元金保証をうたい文句に不特定多数から多額の金を集めていたとして大阪府警は28日午前、同社本店と東京都大田区田園調布3の葉山総裁の自宅など十数カ所を出資法違反(預かり金の禁止)容疑で一斉に捜索した。「会員を紹介、権利購入させればリベートを受け取れる」とインターネットなどで宣伝、ネズミ講に似た手法で金を集め、総額は今年上半期だけで約2600人から約11億円にのぼる。葉山総裁らから事情を聴くなどして全容解明を急いでいる。

 調べでは、2月から6月までに、解約時の元金返還を約束したうえで大阪市内の主婦ら10人から17回にわたり計735万円を預かった疑い。同時期に全国の約2600人から計約11億円を集めた疑いが持たれている。同社と葉山総裁、内田元社長は、永代供養権の購入のほか「会員を紹介して権利を購入させる度にリベートを受け取ることができる」とインターネットなどで宣伝。広告などによると、1人が2人ずつ会員を獲得していき「1—2—4—8」のピラミッドが出来れば、はじめの1人は計140万円得られる仕組み。府警は、永遠に会員が増え続けなければ破たんする「ネズミ講」的仕組みであることや、会員から「元金が返還されない」などの苦情も出ていることなどを重視。詐欺容疑も視野に入れて捜査を進めている。  国民生活センターによると、ネズミ講に関する苦情・相談件数は1994年はわずか8件。ところが95年に83件、96年に212件と激増。同年、訪問販売法で連鎖販売取引の規制が強化されたが歯止めはかからず、97年は505件、昨年は319件だった。昨年8月には、福岡県警が全国で初めてインターネットを使った国際ネズミ講を摘発。全都道府県の約12万人が参加し約18億円が動いていたことが判明、関係者14人が無限連鎖講防止法違反容疑で書類送検されている。

(Mainichi Shimbun)

http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/199909/28-2.html

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